2016年9月4日日曜日

インデックス長期投資の優位性

※この記事は前回の記事「優位性を考えて投資しよう」からの続きです。

インデックス長期投資には以下の優位性があると考えます。

  • 名目GDPと株価には正の相関関係がある。特に各国の合算値であればなおさら
  • 人類は歴史上、長期的に技術革新などで生産性の向上と経済成長を続けてきた
  • したがってこれからも長期で名目GDPが上昇、相関性の高い上場企業の株価も上昇すると考えられる
  • 主要国の中央銀行は2%程度のインフレ目標を掲げており、名目GDPや株価にマイナスとなるデフレを明示的に推進する主要国は無い

名目GDPと株価の正の相関関係については以下のサイトを参照。
http://www.world401.com/koudo/gdp_kabuka.html
なお名目GDPは国内の生産、上場企業の収益は海外での生産も含むことから各国の名目GDPと株価が直接連動するわけではありません。
従って名目GDPの成長率が高い国ほど株価の上昇率が高いとは限りません。(上述の通り正の相関関係はあります。)
また、日本は人口減少とデフレで名目GDPが下がったとしても日経平均やTOPIXが下落するとは限りません。(日本のグローバル企業の競争力が高ければ、海外で利益を上げることができます。)

主要なインデックス長期投資家は、世界中の株に分散投資するか、グローバルで競争力の強い企業を多数持つアメリカに投資する、というやり方で上記の優位性を確保しています。
この場合、世界各国の名目GDPの合計が長期上昇トレンドを続ける限り、株価も長期上昇トレンドを続けるという予測を立てられます。
以上は株価指数長期投資の優位性ですが、金利を生み出す国債も過去の実績から、金などのコモディティも長期インフレトレンドの実績からそれぞれ優位性ある長期投資の対象となります。

長期トレンドを示すグラフも載せておきます。

(https://www.aaii.com/journal/article/real-returns-favor-holding-stocks.touchより引用)
縦軸は実質リターン(インフレ調整後リターン)ですので、横ばいであればインフレと同じリターンが得られることを示しています。金がそうなっていますね。
現金はインフレに勝てないため、ドルが右肩下がりの直線になっています。
また、縦軸は対数ですので直線であれば指数、つまり複利で増減していることを示しています。傾きが年率リターンになります。
長年の過去の実績では、株 > 債券 > 金(≒インフレトレンド)の順に上昇トレンドだということですね。

この戦略のメリット

長期で積み立てるだけなので、やることは投資対象とする資産クラスの選択(株、債券、コモディティなど)とリージョン選択(全海外、先進国、新興国、アメリカなど)くらいで忙しい人でも実践できる点がメリットです。
また、レバレッジをかけず積立をするだけなら破産確率を0にできるので、資金管理についても意識する必要がありません。(許容リスクについては別の話です。)

この戦略のデメリット

長期では儲かる見込みが高い一方、数ヶ月~数年程度の短いスパンでは金融危機や景気後退、(為替ヘッジをしていない場合は)為替変動などの影響で大きな含み損を抱える可能性があることです。
さらに1929年のウォール街大暴落から続く世界恐慌のような株価長期低迷が来ると、巨大な含み損が解消されるまで10年~20年以上かかる可能性もあります。
実際、著名投資家を含む一部の投資家は、今の世界的な量的緩和が巨大なバブルを形成しており、そのバブル崩壊は世界恐慌の再来を意味すると考える人もいます。
従って生活費に充てる収入源を別に持つ人(サラリーマンや企業経営者など)か、既に十分大きな資産を持っている人が取れる投資戦略であり、まだ資産に大きな余裕のない専業トレーダーには向かない戦略です。

以下の記事に続きます。
FX短期トレードの優位性
グローバル・マクロ戦略の優位性
自分が試行錯誤しながら実行している投資戦略

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