2016年9月4日日曜日

自分が試行錯誤しながら実行している投資戦略

※この記事は前回の記事「グローバル・マクロ戦略の優位性」からの続きです。

ここまで投資戦略を列挙してきましたが、もちろんこれらの戦略はどれか1つを選択する必要があるわけではありません。
私自身も組み合わせていますし、将来的には全て活用したいと考えています。
今のところはインデックス長期投資とグローバル・マクロ戦略を組み合わせて投資しています。
成績については本日時点(2016年9月4日)で年初来4%ほどの利益(2016年1月1日から発生した含み益と課税後確定益の合算値の全資産に対する割合。キャンペーンなど特典による収益はもちろん除外)となっています。
この成績は為替ヘッジを行っていないインデックス長期投資には勝てている一方、この記事で書く戦略で得られたはずの利益からは劣後しています。
というのも、情けないながら無知と試行錯誤のため失敗した(グローバル・マクロの視点から明らかに誤った)トレードが含まれており、それが無ければ10~20%ほどの年初来リターンが得られた計算になっています。
ですから自分が考えている投資戦略にはそれなりの希望を抱いています。
とは言え信頼に至るには実績となる年数が圧倒的に足りませんので、上から目線で語る意図は全くありません。
以下、具体的な内容を記します。

自分が採用している優位性

株の長期上昇トレンドとコモディティの長期上昇トレンド(=インフレの長期上昇トレンド)を最も基本とする優位性としています。
しかしそれだけの場合資産の変動が大きくなってしまいますので、グローバル・マクロ戦略の視点で投資対象の量の調節と為替ヘッジの調節を行っています。
もちろんグローバル・マクロ戦略にはリスクを減らすだけでなく超過リターンも期待しています。

まとめると、インデックス長期投資の優位性にグローバル・マクロ戦略の優位性を付け加えています。
ですので継続的に世界経済や投資手法について勉強し、勉強の結果良くないと分かったやり方については反省する日々を送っています。

投資対象のウェイト調節

2016年9月時点での私の主な投資対象は株と貴金属です。
今年春から6月下旬頃まで為替ヘッジをつけた先進国債券にも投資していましたが、邦銀によるヘッジ外債投資ブームもトレンド増幅に一役買った世界的な金利低下が起きた時に全て利益確定しました。
先進国債券は量的緩和により極めて割高な状態になっているため、突然の暴落リスクの方が高いと考えて常時保有はしていません。

株はアメリカ・先進国・新興国・日本などのセクターからグローバル・マクロ戦略の視点でウェイトを調節しています。
たとえば今年は日本株・先進国株のウェイトを減らし、新興国株のウェイトを増やしています。
新興国株のウェイトを増やしている理由は、アメリカの利上げ事実消化と連続利上げ期待低下によりコモディティの反発を予測しているためです。
新興国株はコモディティとの相関性が高いことを根拠としています。
また、利上げ織り込み相場で新興国通貨が既に叩き売り状態になっていたため、新興国株と同じ理由で反発を期待し新興国債券も保有しています。

ただし、株もまた量的緩和によって割高状態になっていると考えているため、株全体がポートフォリオを占める割合は3割~5割以下に収まるようにしています。
代わりに、貴金属を3割程度とかなりオーバーウェイトしています。
以前の記事にも書いたとおり長期の期待リターンは株 > 金の関係ですから、機会損失リスクを背負う代わりに量的緩和バブル崩壊による株価暴落リスクを小さくしていることになります。

売られ過ぎ・買われ過ぎの予測に基づく短期売買

利益確定・損切りとセットの短期売買

CTFC建玉情報やIMM通貨先物ポジション、株価指数のPBR・PER、それからチャートの勢いなどから売られ過ぎ・買われ過ぎの予測ができることがあります。
日経平均のPBR1倍接近とPER13倍接触やセリングクライマックスの動き、通貨先物であまりに買いポジションの貯まった円(売られ過ぎたドル円)、急激な利上げ織り込みで経済指標発表直前まで売り込まれた貴金属など、反発の可能性が高い上にこれ以上の下値も限られていると予測できる場面が度々あります。
そういうところでは短期でポジションを増やし、市場の偏りが解消されるトレンド(売られ過ぎの反転の場合は踏み上げ相場)の間に一時的に増加したポジションを利益確定します。
売られ過ぎの判断がずれていたり、思った通りに反転してくれなかった場合は、戻り局面や時間経過で微益撤退なり損切りなりでポジションの量を戻します。
逆に手持ち資産が買われ過ぎの状態になったと判断したらポジションを縮小して現金余力を高めることも行います。
判断の精度が高ければ損切りになる合計値よりも利益確定になる合計値の方が大きくなるという見込みがこのやり方の優位性であり、今年の結果は幸い見込み通りになっています。

現金余力を利用した下落時の買い増し

ポジションが株価指数など長期上昇が見込める対象で、かつリスク資産比率が許容リスクを超えていない場合は損切りしない前提での買い増しも可能です。
リスク許容度を超えていないということはそれまで現金を余分に持っていることを意味するので、機会損失の可能性がこのやり方のデメリットです。
しかし投資対象を数多く手がけている場合、少なくない頻度で何かしらの商品が売られ過ぎになる場面に遭遇します。

たとえば先日の9月2日雇用統計でも利上げ織り込みで下落の進んでいた貴金属が、さらに雇用統計が良かった場合の下落リスク回避のため売り込まれるトレンドが発生していましたので、私は買い増しを行いました。
結果として、雇用統計はそんなに悪いというほどでは無かったのに「事実売り」と同じロジックの貴金属買い戻しが発生しました。
しかも想定以上に分足で強烈な上昇を見せたのと、個人的には雇用統計は9月利上げを否定するほど悪いとは思えなかった(債券市場の解釈に賛同した)ため、買い増し分は利益確定してポジション量を戻しました。

このやり方では短期的に思惑と異なった動きをしても長期では上がる見込みがあるので損切りは必須になりません。
機会損失リスクを背負う代わりに損切りリスクと心理的な負担無しで売られ過ぎ局面での買いを狙えることがこのやり方の優位性です。

為替ヘッジの調節

株は長期では円価格でもドル価格でも長期上昇トレンドになると考えられます。
また、貴金属についても安倍政権になってから後戻りできない規模の量的緩和を実施した以上、いつかはインフレにより円価格でも長期で上昇すると私は考えています。(アメリカは長期インフレトレンドが信頼できますのでドル価格ではもちろん長期上昇トレンドを想定します。)
したがって、株と貴金属に対して仮に500万円投資しているとしたら、500万円分までドル円ショートをしても長期的に期待リターンがプラスであることには変わりません。
これにより、長期の損失を恐れること無くグローバル・マクロ戦略でドル円ショートの量の調節が可能となります。
今年から来年にかけては大筋でドル安円高トレンドであることを予測しているためドル円ショートを基本とし、売られ過ぎ局面でショートを減らし、戻り局面でショートを増すやり方をしています。
実際のところドル円は年初来で20%近く下落してますから、ドル円ショートによる収益は1年単位のリターンにおいて非常に影響力が高いです。
私も今年の収益のおよそ半分がドル円ショートによる利益です。(元々為替ヘッジされている商品を含めるともっと比率が上がります。)


以上が現時点での私の投資戦略です。
これを記事にすることで自分の考えを整理するとともに、公開することで誤りの指摘や意見などのフィードバックがあったら戦略の改善に生かしたいと考えています。

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